灰谷健次郎 エッセイ集
~島へゆく~
あとがきより
いのちが生きるというごく素朴な視点から、日本という国をながめてみると、破滅という激流の中、ほんの一握りの良心がかろうじてこの国を人間の社会として成り立たせているという感を深くした。
よわいとされているいのちが生きるためには膨大なエネルギーがいる国である。そういう意味では優しさの通らない非常な国といえる。戦前とはまた別のファシズムが支配しているのだろう。
こういう時代に生きる人間は、そうとうの覚悟というものが必要ではないかと思った。
ここにおさめた文章の大部分は、よわいいのちと目される子どもたちの「生」にふれて書かれたものが多い。
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それでは
Yoshieさんの朗読
~島へゆく~より「沈黙の中の子どもたち」
お聴きください
ピアノはラストに少しだけ・・・♫
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