一日一文 365日

一日一文 23.塔 和子 詩選集「希望よあなたに」より

真夏の昼

生きている本当だろうか
生かされている本当だろうか
立っている本当だろうか
立たされている本当だろうか
作って食べる本当だろうか
与えられて食べる本当だろうか
土があった水があった
空があった
光があった熱があった
あったというのははたして本当だろうか
光と闇を分けられ
天と海とを分けられ
海と陸とを分けられ
すべての植物をはえさせ
すべての生き物を満ちさせ神が創造した
創造したというのは本当だろうか
在るのか
在らされているのか
小さな私
手のひらに太陽が溜まり
髪にまつわる風
ああ真夏の昼
嘘のような真の間の
真のような嘘の間の裂け目
樹々が繁り
海が光り
遠い対岸の街が見える
_生きている_p12~

 

孤独なる

今日は出会わなかったか
そんなことはない
書物の中の人と出会い
物語の中の人と出会った

今日はなにもなかったか
そんなことはない
顔を洗ってお化粧をした
それから鏡の中ですこし微笑み
何ももたない自分を
あわれんでやった
閉じこもった今日さえも
やっぱりなにかと出会い
なにかを考える
ぼんやりしているときにも
ぼんやりとなにかを思っているように

生きることはやっかいなことだ
少しの休息もなく
心が体をひきずっている
でも
そこは
出会うよろこびによってささえられている
小さな私の城だ
_かかわらなければ_p88~

 


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。