あなた方は、ほんとうの先生を持ったことがあるだろうか?
あなた方のことを、粗削りだが貴重なもの、
英知をもって磨けばみごとに輝く宝石になると見てくれた人を。
さいわいそういう先生のもとへたどりつけた人は、
きっとそこへもどる道を見つけられる。
それは自分の頭の中だけのこともあり、その先生のベッドの際のこともある。
わが老教授の最後の授業は、週に一度、その自宅で行われた。
書斎の窓際で小さなハイビスカスがピンクの花を落としていた。
授業は火曜日。本はいらない。テーマは人生の意味。
経験をもとに語られる講義だった。
・・それは今でもつづいている。
_むすび_P193~
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