一日一文 365日

一日一文 112. フランク パヴロフ「茶色の朝」より

まるで、街の流れに逆らわないでいさえすれば
安心が得られて、面倒にまきこまれることもなく、
生活も簡単になるかのようだった。
茶色に守られた安心、それも悪くない。

ひと晩じゅう眠れなかった。
茶色党のやつらが
最初のペット特別措置法を課してきやがったときから、
警戒すべきだったんだ。
けっきょく、俺の猫は俺のものだったんだ。
シャルリーの犬がシャルリーのものだったように。
いやだと言うべきだったんだ。
抵抗すべきだったんだ。
でも、どうやって?
政府の動きはすばやかったし、
俺には仕事があるし、
毎日やらなきゃならないこまごましたことも多い。
他の人たちだって、
ごたごたはごめんだから、
おとなしくしているんじゃないか?

 

だれかがドアをたたいている。
こんな朝早くなんて初めてだ。
・・・・・
陽はまだ昇っていない。
外は茶色。
そんなに強くたたくのはやめてくれ。
いま行くから。

 

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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。