一時間目、みな子は数え棒やおはじきを出して、わりあいおとなしく遊んでいた。
鉄三は知らん顔している。小谷先生は心配だ。鉄三の顔を見ていると、人のことなど知らんといっているような気がしてしまうのだ。
二時間め、みな子は外へ行きたそうなそぶりをみせた。すると、鉄三の方が先に立った。鉄三は歩きはじめた。みな子はぱたぱたと後をつけた。やよいもあわてて走った。
小谷先生は窓からちらちら鉄三たちを見ていた。
鉄三は先に歩く、みな子とやよいが後をつけている。こんなかっこうは、きょうがはじめてだ。いつもはみな子の後を、当番の者がおいかけているのだ。これはおもしろいぞと小谷先生は思った。
鉄三たちは校門のそばの桜の木のところまできた。上を向いて桜の葉を見ている。三人とも口をあんぐりあけて上を向いているが、みな子とやよいは、鉄三のまねをしているだけである。
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鉄三はみな子を遊んでやっているふうでもない、自分勝手に好きなことをやっているのだが、みな子はよろこんでいる。
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鉄三はすこしもみな子のきげんをとらない。
ー みな子当番 -p159~
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