「救い」に直結するものとは何かといえば、大きな意味での「物語」だと思います。私の人生もひとつの物語であり、宗教の体系もある意味では物語です。来世の問題も、壮大な生命の物語です。物語というのは、情報と違って一度出遇ってしまうと、出遇わなかった以前にもう戻れないーーーという性格を持っています。
~
情報であれば、自分で操作することが可能です。しかし物語は、自分のありよう自体が問われることとなります。生き方を変えざるを得なくなる。現代人も、どこかで身も心もおまかせできるような救いの物語を求めているのではないでしょうか。そして、ある物語に出遇って、「ああ、これは私のために用意されていた物語だ」「もう他の物語では代替できない」となったとき、私たちは救われるのです。
ー人間にとって宗教とは何かーp83
ABOUT ME