昨日の是とせし所、今日亦た非とす。
今日の是とする所、焉んぞ昨の非に非ざるを知らん。
是非に定端なく、得失、預め期し難し。
愚なる者は其の柱に膠し、何ぞ之くとして参差たらざらん。
智有るものは、其の源に達し、逍遥して且く時を過ごす。
智愚両つながら取らずして、始めて有道の児と称す。
(世間的な是だの非だのという対立は、場当たりな都合でしかない。愚かな人は正義を固定化するから食い違うのだ。賢い人は物事の本質を見、ゆったりと生きていく。賢さにもとどまらず愚かにも落ちず、自由にせいせいと生きるのが本当の道を生きる人ということであろう)
p119 現世への疑問(中野東禅)
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