ー 在る ー
手を広げて見ても
せいぜい一メートル四、五十センチ
足を思い切りのばしても
一メートル六十センチには足りない
地球の上のほんのひとすみに
有るというにはあまりに小さすぎるようで
無限の中でじいっとしていると
次第に点る灯のように
あきらかになる存在
私
この不思議なもの
私はいつも在って
在るうとましさに疲れようとも
在らされるわずらわしさをうとんじようとも
存在そのものだから
消えることが出来ない
死というたのみのつなさえ
それを思うとき
いま私は
いっそうあきらかな生
ほのぬくい存在である
でも
存在することは
スポットライトの中の踊子で
ライトの中から踏み出したら
そこはもう
手がかりのない
広すぎる空間
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ABOUT ME