一日一文　330. 藤井 武「藤井武 全集 第十巻」より

ー　虹　－

まどかなる虹はたちたり武蔵野の
森よりおこり森にくだりて

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おほみづの荒廃の跡にうつくしき
この彩みいでて人はさけべり

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夏朝は五時むさし野に霧ふかみ
四十雀とび太陽のぼる

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冬に秋に幾秋夜々に祈りしか
つひに聴かるる今日をのぞみて

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見いでたる真理ひとつに胸はみち
誰にか頒たむただ卓をめぐる

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