ふと一匹の黒犬を見る。それが足にまとわりついてくるとき、「この犬を年来飼っていたのだ」と明恵は直覚する。言ってみれば、すべての人はその心の中に黒犬を飼っているのだが、それに気づく人と気づかない人とがいるだけなのである。
~
明恵が事事無礙の思想を理解したというのではなく、彼の身体存在そのものが、事事無礙の世界を体現したという事実である。
心身共に、己の全存在を懸けて、それを知ることが必要だったのである。
p361-華厳の世界ー より
ABOUT ME
ふと一匹の黒犬を見る。それが足にまとわりついてくるとき、「この犬を年来飼っていたのだ」と明恵は直覚する。言ってみれば、すべての人はその心の中に黒犬を飼っているのだが、それに気づく人と気づかない人とがいるだけなのである。
~
明恵が事事無礙の思想を理解したというのではなく、彼の身体存在そのものが、事事無礙の世界を体現したという事実である。
心身共に、己の全存在を懸けて、それを知ることが必要だったのである。
p361-華厳の世界ー より