2018年4月に石牟礼道子さんを送る会に参加させていただいたとき
エントランスで並んで待つ光景が今の私の奮起の一つかもしれません。
並んでいらっしゃる方は私よりお年上な方ばかり
その並んでいる間、みなさまおひとりで、メガネをかけ、本を熱心に読んでいらっしゃる。
薄暗いエントランス、わたしより視力もお悪いでしょうに・・・
その一時も無駄にしないお姿に心が打たれました。
石牟礼さんの作品は難しい畏れ多いとなんとなく敬遠してしまっていたのですが
昨年くらいから、やっと本を手にできるようになって、そのことばを追うとき
ことばの美しさ、リズムというのでしょうか、特に声に出して読みますと
本当に美しいなぁ・・・と感じ、わたしなりの光景が浮かぶようになりました・・・。
昨日2月10日は石牟礼道子さんのご命日。
ですので2/11のおはなし会では石牟礼道子さんの作品をお届けしたいな・・・と思いまして
市橋さんにご相談させていただきました。
最初に
市橋さんからのメッセージ、お預かりさせていただいておりますので
読ませていただきます。
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『花をたてまつる』という本は、もう何十年も前に、
埼玉の松山女子高校合唱部が「しゅうりりえんえん」を 発表するということで聞きに行き、
初めて石牟礼道子さんにお会いしたときに求めた本です。
この中から志乃さんに朗読していただけること、出会えたご縁に感謝しています。
水俣フォーラムで催された講演会やセミナーにぽつぽつと参加して、
過酷な苦しみの中での患者さんたちの経験や、その中の生き様に触れ、
多くの「気付き」を得て、自分の「視座」を意識するようになりました。。
ぜひ多くの方にもご参加いただきたいと思います。
4月30日には京都で記念講演会があります。オンラインもありますので、よろしくお願い致します。
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市橋さん
メッセージありがとうございました。
市橋さんからご紹介ありました
水俣フォーラムでは、水俣病を伝える展覧会「水俣展」や、水俣病事件の今日的な意味を発見し、
その教訓を語り継いでいくための「水俣病記念講演会」などを全国各地で開催しています。
とホームページに記載されてました。
市橋さんはこちらでお手伝いをされていらっしゃるとのことです。
4月の講演会につきましても水俣フォーラムホームページに詳しく書かれていました
こちらをご覧ください。
もうひとつ
みなさま、なんだろう?とお感じになられた言葉が
合唱部が「しゅうりりえんえん」を発表する・・・ではないでしょうか・・・
この
「しゅうりりえんえん」とは 石牟礼道子さんの絵本『みなまた 海のこえ』を原作とする壮大な合唱曲のことだそうです
では
しゅうりりえんえん
ということばは・・・どのようなことなのでしょう
絵本に石牟礼道子さんの言葉が載っていたのでご紹介いたします。
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しゅうりりえんえん
という言葉は、もちろん辞典にはありません。狐のぎんも初めて皆さまの前に出るわけですので、
辛い世界から出てくるための呪文というか、祈りを長い間やっていましたら、こういう言葉がでて来ました。
奥深い空にひがん花が一輪浮き出てくる、その花のエネルギーというか、そういう言葉です。
本当に苦悩の深いものほど、しゃべらないのだ、空の奥に赤い花のように咲いているだけだとわたしは思うのです。
そんな花の祈りが、音楽になる寸前の言葉が、しゅうりりえんえんです。
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水俣フォーラムのお手伝いで知り合われた市橋さんと志乃さん
昨夜は
石牟礼道子さんを通じて出会われたおふたりの想いをお聴きいただきました。
市橋さんの選ばれたおはなしは
志乃さんと私ではとても選べなかったという作品でした。
志乃さんのお声は
聴いている私たちの心にしずかに語りかけるように、そして
何か訴えるような力強さも感じました。
このような貴重なひとときをいただけたことに
深く感謝いたします・・・。
挿入のピアノ曲は
杉原由利子さん作曲「吟遊詩人」
こちらは~ピアノの夕べ~にてお聴きください。
ありがとうございました。