一日一文
「なにかにつけて私は目立ってたわけよね。だけど、それが芸術家にとって最高に大事なことなんだって。ドイツ語では、アパート、っていうのよ。日本語で、アパートに住む、というのと同じ。たとえばひとつの広間に人がいっぱいいるんじゃなくて、区切られた存在で、ほかの人と全然違うふうにみるっていう…それでいてどこかに人を惹きつけるおもしろさがあるっていうのは、芸術家にとってすごい大切だって、ほかの人は別に、平穏無事を望んでればいいじゃない?私はそういうの、好きじゃないから…。
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人の言ってることなんて、わかったものじゃない。あの人はああだからつきあうのはやめなさい、なんていったって、あてにならないわよね。肉眼で見れば、まったく違うものじゃない?自分の眼で見なきゃ」
フジ子・ヘミング
「ピアノかあって、猫がいて」より
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