素読は有機農法における土づくりとおなじで、即効性を求めない。意味や内容など理知的な面については説明しないので、ことばの響きやリズムといった感性的な面だけが、時間をかけてじっくりと耕され、根がしっかり育つ。まず感性(=聴覚だけでなく五感すべて)を通してことばの響きと味わいが心に浸透し、細やかなひげ根を生やし、意味や内容はずっと遅れて、あとからゆっくり育っていく。表面的な意味をせっかちに求めない。「わかった」つもりにならない。
そのことがかえって好奇心を持続させ、精神を深耕する。
ー まえがき -p7
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