知らなくてはならないことを、
知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間に、
わたしはなりたくありません。
そんなひきょうな人間になりたくありません。
先生、お願いです。どうかわたしといっしょに考えてください。
学校の勉強のためではなく、
わたし自身のために、どうかわたしといっしょに考えてください」
ふうちゃんはそう書いて、手紙を結んだ。
p286~
「ふうちゃんがいっしょうけんめい手紙を書いてくれたように、
ぼくもこの手紙をいっしょうけんめい書きました。
~
学校の勉強のためにではなく、わたし自身のために考えたいという
すばらしいふうちゃんにならって、ぼくも、この手紙を自分自身のために書きました。
それから、この手紙は、ぼくたちの新しい勉強のために、
これからもずっとつづけましょう」
p288~
眠っていたとばかり思っていたおかあさんが、ぽつんといった。
「・・・・・・」
「生きている人だけの世の中じゃないよ。
生きている人の中に死んだ人もいっしょに生きているから、
人間はやさしい気持ちを持つことができるのよ、ふうちゃん」
p385~
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