一日一文 365日

一日一文 33. 石牟礼道子「みなまた 海のこえ」より

潮を吸って生きている樹々や葦の類に、わたしは心うたれます。
そのような樹や草の姿は遠い昔、
わたしたちが海から生まれた生命であることを思わせます。
毒を吸ってはいますが、海は原初そのものです。
この海を鏡にして覗いてみれば、実に意味深い社会の姿が写しだされてきます。
意味を解きしらせてくれるのは、死者たちや苦悶の極で今も生き残り、
生き返ろうとしている人びとです。

水俣病事件は、今も進行中で終わっておりません。
一行でも、大人になるまで考え続けられる箇所が、
皆さまの胸に残れば喜びです。

○絵本にそえて  _ 常世の舟 _


ABOUT ME
Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。