人にとって、かならずいのちを養うはずのものを食す。
手、足があたたまる。頬に赤みがさす。
やる気が出てきたなどの至って当たり前な体の反応、
この薄紙を重ねるような手応えに人は頼れる自分のいのちに気づく。
その頼り甲斐の集積は、やがて何かをあるいは誰かを信じる力に昇華してゆく。
信じるという場から希望が育ち、愛の土目はおのずから仕上がっていくのではないか。
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いのちの目指すところは、生物としてのヒトが信・望・愛を秘めた人になること。
ヒトが人になりうる条件は多々あるが、
欠ければ、とり返しのつかぬ条件の一つに食は巌としてある。
_対談のはじめに_p26
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