のさり。
熊本のことばで、授かりもの、という意味だ。
小さい頃、祖母がよく使っていたのを憶えている。
よかとの、のさったなあ。
耳に優しく残っている。
~
のさり、ということばの真の意味を教えて頂いた。
栄子さんは、水俣病ものさりだという。
母が人様より早く病気にかかったためにいじめにおおたけれども、
そうでなければ水俣でいじめる側に立たされたです、と栄子さんは言っている。
だから、いまがあると、病はのさり、だと。
その立場に立たされたとき、そう言えるだろうかと、
彼女のことばに触れるといつも自分に問いかける。
自信はない。
だから、せめて彼女のことばを覚えておかなければとおもう。
_ことば_p151
ABOUT ME