「心」の深さを歌う彼の句は甚だ多い、
彼は心が如何なる世界を現じ得るかを味わっている。
万有が心の裡に宿ることを知っている。
心を離れて一物もないことを熟知している。
心を見る者は凡てを見るのである。一切は心の所業である。
心が他によって変ずるのではあらぬ。
わが心 にごせばにごる すめばすむ
すむもにごるも 心なりけり
誰もこの教えが真実であることを頷かないわけにはゆかぬ。
心の方向によって、目前に世界は廻転する。同じ教えを次のようにも歌った。
六道を つくしてみれば なにやらむ
佛も鬼も 心なりけり
ー 上人の和歌 -よりp308
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