一日一文 365日

一日一文 132. 和合亮一「貝殻のうた」和合亮一の詩による歌曲集 より

ー くるみの木 ー

幼い頃から 見あげていた庭の くるみの木が
余震の恐れから ついに切られてしまった
この喪失感を 例えようが無い
僕の過去は とうとう 終わってしまった
さっき 木の姿をしていて 切られてしまった
僕

くるみと僕は とても仲良しだった
この世界の 親友だった
眠れない時に
僕は くるみの木と 良く 話をした
世界のこと 宇宙のこと 人類のこと
愛のこと
樹木の真理について
くるみが ぽとり ぽとり と庭に 静かに
優しく 落ちた
落ちる

くるみの木くるみの木

 

~和合亮一の詩による歌曲集第二集「愛しい人へ」~p77


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