動物は親が子に対して必要なことを必要なだけ行い、子も親に対して必要なことだけを求め、そして成長すると双方が離れていく。そこに愛という言葉や概念は存在しない。しかし何かが欠けているわけではない。恐らく人間が考える最も自然な愛というものも、そこにはちゃんとあるのだろう。
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人は愛し愛される存在でなければならい、などと一体誰が決めたのか。
たとえ今は誰からも愛されず、誰も愛せず、自分すら愛せない状態にあるように思えても、当たり前に生活していくだけで大したことである。頭ではなく、体を動かすこと。生活し、観察し、触れてみること。するとやがて育っていく何かがきっとあるような気がする。最初に問いを持ってくるのではなく、一番最後に「自分にとって、あれが愛だったんだ」と気付ければ、それでよいのではないだろうか。
ー 愛する - p83~
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