一日一文 365日

一日一文 258. ウンベルト・サバ「ウンベルト・サバ 詩集」より

昼夜、ひとつの思いがついてまわり、じぶんとは
関係ないと思うのに、あたまを離れることがない。
そんなわけだった。墜落したのは楽園からで、
地獄の責苦のまっただなかへ。

この恐ろしい事実に、どうして生き
ながらえたが、ぼくにはわからない。
悲しみと、ひとつだけ契約を結んだ、
受けとめ、向きあって生きようと。

他の場所をたずねて、あたらしい友も得た。
不思議な書物から不思議なことどもを覚え。

四年、五年の歳月がすぎて、もうあの恍惚の日々は、

愉楽の時間は戻らなかったが、
すこしずつ、自由を知り、生きること、
そして、芸術と戯れるすべをおぼえた。


「自伝」より 9  p172~


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。