一日一文 365日

一日一文 298. 塔 和子「塔和子全詩集 第二巻」より

ー 球根 -

芽は
地中から空間へ
たくましくおし出され
蕾をはらんだ
ふくらんでゆく蕾は
たしかな手ごたえをもって
花をひらいた

花は自分の新しさに光り
花のまわりはりんりんと澄んでいた

いま
枯れた葉っぱの下から掘り出して
手の上にのせた
一個の球根がある
ころころとまるく
終わった季節から
めぐって来る季節へと
華やかな幻影をおりたたんで
かくも
生ぐさく

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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。