一日一文 365日

一日一文 173. リルケ「リルケ 詩集」より

ー だれひとりそばに・・・ ー

だれひとりそばに残ってくれず、にがい心の
やり場もない時の女の友、薔薇よ、
そのひとがいるだけで、あたりの空気に
しみじみとした愛撫が感じられるなぐさめ手。

ひとが生きる望みをすて、過去にあったもの、
未来にくるかもしれないものを否定するとき、
わたしたちのかたわらにあって、妖精のいとなみを
根気よく続けるこの友のことを、ひとよ、忘れてはいないだろうか。

(フランス語の詩)よりp279
高安国世訳


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。