中学時代に叔父さまの遺品であった尺八にふれ
その後、大学時代に尺八部に入部され、
そこから本格的にプロの道へと歩まれ現在のご活躍へとつながっていらっしゃる
尺八演奏家 坂田誠山さん
~おとなおはなし会 夜の部~快くご登場くださりました。
事前にグループのみなさまからの質問を軸に
おはなしをさせていただきました。
「首振り三年ころ八年」と言われますように
なかなか手ごわく難しい楽器と思われている尺八ですが
坂田さんはその最初の出会いのときすぐに音が出せたそうです。
今でも、学校に邦楽の世界を伝えに行かれるそうですが
そういった体験でもすぐに音の出せる子はいるそうです!
コツをつかむことが大事だそうです。「コツ」!!
それにしてもそういった体験学習は素晴らしいですね。
学校に体験へ行かれるのは
「邦楽は人々の慰めになったり励ましになったり、そういう本来音楽の持っている役割を担うような形を提供したい」
という思いがあってのご活動です。
その思いを曲として形にしてほしいと依頼を受けていらっしゃるのが
作曲家の奥さま由希子さん
共同制作とおっしゃられてましたが
今回の「萌えいづるとき」
一番大変だった点は
なんと
ご夫婦ならではの距離でした♡
「尺八にとって、とても難しいリズムで
邦楽ではああいうリズムを書く人はいないんです」と坂田さん
間近にいらっしゃる坂田さんの演奏を聴いてこられた由希子さんならではなのですね・・
「ここまで吹けるかな?とガンガン書いて渡してきて・・・大変ではあるけれど(笑)」
「でも、互いに近くにいるということで邦楽の新しい可能性が生まれてくるんです」
と。まさに『共同制作』
演奏会はリピーターのお客さまが多いそうですが
その「石井由紀子」さんの作品が高く評価され、みなさま楽しみに聴きにいらして満足してお帰りになる。
その通り!!動画からも伝わってきました。
「特異な才能をもって作ってくれているから助かっている」とのお言葉。
そういった演奏会が3月からの自粛により年内すべてキャンセルになられていくわけですが
そのような中でのことを坂田さんは次のようにお話しくださりました。
「年内での外での仕事はおいおいとキャンセルになっていくわけです、最初はとまどいましたが、外での仕事はキャンセルとなっても自宅での仕事がありましてYouTubeなどと。
仕事の分野が外で活躍する演奏家から、物を作るほうへの仕事に変わっていきました。
落胆は最初だけ、後から割り切って、家でできる仕事もたくさんある。外で演奏するだけでなく、曲作り、楽譜、CDとものづくりのほうに集中しました。
ですから、この状況がしばらく続いても大丈夫」
モチベーションを保たれた力強さを感じて、こちらが励まされる思いがいたしました。
黙って横にいらっしゃるであろう由希子さんに無理やり声をかけてみました・・・
質問に「作曲に適したお時間は?」とありましたので(笑)
由希子さん
学生時代は徹夜徹夜の夜中に作曲なさってましたが今では体力温存、午前中作曲、午後はおけいこという日々だそうです。
一人何役もこなされていた動画で大変だったのでは?
「演奏自体は大変でなく自分が弾くことになるだろうから弾けるのしか書いてない」そうで(笑)
また
誰もがあの動画で思う共通の感想「タンバリン」での微笑み
その理由は・・・
「たたいているうちに楽しくなってしまって・・・さらにカメラの方をふとみると横にいる主人の顔が目に入りおかしくなってしまって(笑)」
とのことで
なんとも微笑ましい・・・♡
今回大胆にもトークをお願いしてしまったわけですが
プロでいらっしゃるご活躍の一端も垣間見せていただきました
おとなおはなし会グループの方から↓
「坂田さんご夫妻の音楽
美しい「静」の映像に重ねられている展開と音楽の雄大さ、その奥行きにとても引き込まれます♡
ご夫婦で素敵な作品を生み出していらっしゃることにも憧れます。
邦楽器と洋楽器。
日常にも和洋の美しいコラボレーションを想像していますが、お住まい空間やお食事にはどちらかの傾向があったりしますでしょうか?
邦楽器に触れる機会が少ないので、尺八やお琴、生の演奏聴きたくて楽しみにしています♡」
とのご質問に
生活空間に和も洋もないそうですが・・・
ヨーヨー・マ
美空ひばり
北島三郎
名高い方々とのご共演の数々
そういったご活動の中で
「尺八を始めたころから
このままだと邦楽がすたれてしまうと感じていて
洋楽の素敵なところを取り入れられるといいなと思っていた」
「美空ひばりを聴きながら尺八に取り入れたり
ヨーヨーマとの共演は彼が尺八を聴いてすごいとなって曲が生まれたり
邦楽だけでなく互いの良さを取り入れる試みをしている」
さらに
「北島三郎の与作の音は僕の音です」
わたくし早速YouTubeで改めて聴かせていただきました。
坂田さんのお顔が浮かぶ与作・・・
そして
「そういう点で石井由希子の曲は合致している」
とおっしゃられる坂田さん
ご夫婦の共作は生まれるべくして生まれていらっしゃるのですね。
・
最後の質問は
一音成仏
一音一音に魂を込める尺八と書かれてますが、ひとことで尺八の魅力とは
「単純な構造の尺八、メカニック的な雰囲気ではなく
自分の思いがそのまま音に出せるかな?というところが魅力」
「自分がしっかりしていないと尺八は役にたたない
自分のイメージ
どういうふうな音を出そうか気持ちがしっかりしていないと単純な楽器になってしまう
自分を鍛えれば鍛えるほどこたえてくれる
それが尺八の魅力です」
坂田さん
由希子さん
貴重なおはなしを本当にありがとうございました。
ぜひ演奏活動が再開されましたら
演奏会場に伺わせていただきたいです。
お会いできます日を楽しみに・・・。
・
以下より
「萌えいづるとき」お聴きいただけます
・
・
いつもの・・・鈴の音
続いてはマキコさんの朗読
岩手県の昔話「犬ッコと猫とうろこ玉」
*「萌えいづるとき」をはじめて聴いたときの
新しく!どこか世界へとびだしていくようなひろがりのある印象を忘れません。とご感想を書かれてました。
めでたく終わって気持ちがよい昔話ともおっしゃってましたが
いつもながら
聴き手のみなさまに
ほんわかして温かい気持ちを感じていただけたようです。
イントネーションが大変そうでしたが
素朴な味わい深いひとときを
ありがとうございました📖
・
こちらから当日の様子をお聴きいただけます
↓