文箱 ”言の葉の落とし文”

落とし文「みなもとの泉」”さくらいろ”さま

  みなもとの泉

「あなたの知によるのではなく、あなたの知をこえていかねばならない。
 無知の中に沈んでいきなさい。
 そうすれば、わたしは、あなたに、わたしの知を与えよう。
 無知は正しい知である。
 どこに行くかを知らないことは、どこに行くかを正しく知ることである。
 わたしの知は、あなたを、全くの無知にする。」
                           (M.ルター)

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『マルティン・ルター ―ことばに生きた改革者』を読んだ。

どうしても読みたくなったからである。
何故読みたいと思ったのか、読み終えて今、自分に問うている。

ことばで語り得ないものを、ことばをもって問い、求めて生きているような気がする。

何故読んだのか、その答えはわたしの知り得ないこの先に続くのだろう。
知り得ないことは恵みであると、どこかでそう知っている気がするのは何故か。

何も知ることのできないわたしの中に聞こえてくることばは、すべてを知っている何かによるものなのか。
何故かわたし自身が言葉をを失うときに湧き上がる。

求めていることは求められているものであり、その源はわたしがわたしではないままに確かなわたしである。

「あなたがわたしを必要としているのと同じくらい、わたしもあなたを必要としている。」

ことばに立ちどまり、戸惑う。
戸惑いながら、耳を傾けている。
聴こうとしているのは、あなたの声。わたしの心。

わたしはあなたであり、あなたはわたしであることを、聞こえてくる何かに伝えられている。

だから、求めているのだろう。
わたしを超えてこそわたしは生きるということを、感じているこの心で。

その、ゆく先にあるのはおそらく、
知り得ないはずの、知っているであろう平安である。

しずかな泉に待たれている。

そんないのちを今、生きているように思う。

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photo kazesan


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Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。