「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」
詩は、「ほんとう」のことを探す旅です。
ですから詩人は旅人でもあるのです。
みなさんとの詩をめぐる対話をはじめるにあたって、
一篇の詩を贈ります。
人生が
旅であるなら
ひとは誰も
旅人
旅は
いつも
未知なる
小さな冒険
旅路にあるとき
人は
誰であれ
少し
親切にされてよい
心の足を
ひきずりながら
歩く
見知らぬ人と
すれちがい
大丈夫ですかと
呼びかける
そんなとき
人は
生涯で
もっとも
美しい言葉を
口にする
詩の旅に終わりはありません。
ですが、その道程は尽きることのない発見に満ちています。
そして詩を書くことはまるで、言葉というスコップで、
人生の宝物を探すようなものです。
ほかの誰のものでもない、
自分にとっての「ほんとう」の何かを探す、詩の旅、詩人への旅をはじめてみましょう。
_はじめに_p8
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