不知火海の海の上が
むらさき色の夕焼け空になったのは
一色足りない虹の橋がかかったせいではなかろうか
この海をどうにか渡らねばならないが
漕ぎ渡る舟は持たないし
なんとしよう
媛よ
そういうときのためお前には
神猫の仔をつけておいたのではなかったか
その猫の仔はねずみの仔らと
天空をあそびほうけるばかり
いまは媛の袖の中で
むらさき色の魚の仔と戯れる
夢を見ている真っ最中
ー 明け方の夢 ーより 『虹』p234~
ABOUT ME
不知火海の海の上が
むらさき色の夕焼け空になったのは
一色足りない虹の橋がかかったせいではなかろうか
この海をどうにか渡らねばならないが
漕ぎ渡る舟は持たないし
なんとしよう
媛よ
そういうときのためお前には
神猫の仔をつけておいたのではなかったか
その猫の仔はねずみの仔らと
天空をあそびほうけるばかり
いまは媛の袖の中で
むらさき色の魚の仔と戯れる
夢を見ている真っ最中
ー 明け方の夢 ーより 『虹』p234~