仰向けになりながら、死を待つセミ。彼らはいったい、何を思うのだろうか。
彼らの目に映るものは何だろう。
澄み切った空だろうか。夏の終わりの入道雲だろうか。それとも、木々から漏れる太陽の光だろうか。
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木につかまる力を失ったセミは地面に落ちる。飛ぶ力を失ったセミにできることは、ただ地面にひっくり返っていることだけだ。わずかに残っていた力もやがて失われ、つついても動かなくなる。
そして、その生命は静かに終わりを告げる。死ぬ間際に、セミの複眼はいったい、どんな風景を見るのだろうか。
あれほどうるさかったセミの大合唱も次第に小さくなり、いつしかセミの声もほとんど聞こえなくなってしまった。
気がつけば、まわりにはセミたちのむくろが仰向けになっている。夏ももう終わりだ。
季節は秋に向かおうとしているのである。
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_1・空が見えない最期 セミ_
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こちらの本は
7/24~おとなおはなし会夜の部~
新コーナー
「お気に入りの一冊 お裾分け」
ご参加くださってます福岡県糸島でお暮しのYoshikoさまよりご紹介いただいた本です。
エピソードは~おとなおはなし会~の方でお読みいただけましたら幸いです。
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