一日一文 365日

一日一文 364. 谺 雄二「若松英輔 霊性の哲学」より

第六章 光と憤怒と情愛 谺 雄二の詩学 より


なぜいまらいなのか
愛しいものたちを
よりたしかに知り得るからだ
らいは果てしなく残酷
そんなふかみにかがんでいると
ふとしたやさしさだって
あざやかに心に映つる
出会うまえからボクはあなたを感じていた

なぜいまらいなのか
時代のときならぬキナ臭さが
ボクの輪郭を鋭くえぐるからだ
らいは貧しく踏みつけられた処に生まれた
ボクは歴史の証人でありたいとおもう
とすれば生きぬくことがぼくの使命
ましてつらさを超えてはばたく

あなたへの愛

なぜいまらいなのか
あなたの後ろに
ボクのふるさとをみるからだ
らいゆえにボクを追いたてた人びとは
もうそこにはいない
ただ河面に身を投げたネオンの灯のゆらめき
でもホラとおい夜空の向こうから
素顔のふるさとの歌がきこえる

なぜいまらいなのか
まだ治らないせいと笑うヤツは別
より人間でありたいからだ
現に今夜ボクの腕のなかには
ボクがらいであることを怨み
自分がらいでないことを嘆くあなたがいる
そしてこみあげる愛しさが
闇洗うさざ波となって明日をむかえうつ

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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。