おとなのための読み聞かせ
~お気に入りの一冊お裾分け~
昨夜は腕時計作家ユリクさんからのご紹介でした♡
ユリクワールドメッセージをぜひお読みくださいませ(#^^#)
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今回おススメする本は
クラフトエヴィング商會
クラウド・コレクター です。
奥付をみると2004年で、わたしは書店の店先で平置きにされていた新刊を買ったのでその頃読んだのだと思います。
本の背表紙に
「クラフトエヴィング商會の先代である祖父が愛用していた古い革トランク。
その底から古ぼけた手帖が出てきた。
そこには不思議な国アゾットに関する、
驚くべき旅行記が記されていた。
読み進むうちに、孫にあたる三代目は、
奇妙な物の数々にであうことになる。
得体の知れない機械、
判読不明の書物やポスター、
奇妙な譜面や小箱、そして酒の空瓶らしきもの。
壮大なスケールの冒険ファンタジー。」
と紹介されています。
ストーリーとしては
全くそんな内容で
とても楽しい展開なのですが、
魅力的な謎
不思議な感じがする単語
そのイメージに過不足のない挿絵。
それらのおかげで
大人だからこそ、懐かしいような
じっくり味わいたくなるような本なのです。
文体や言葉の使い方についての印象を、
例えてみれば
和三盆の干菓子(ひがし)を食べるような感じでしょうか。
見た目に媚びるような派手さはないけれど、
佇まいに、明らかな自信が満ちていて
つまんでよく見れば無駄なく正しく美しく、
くちにすればほろりと解ける儚い甘さにうっとりと。
また、どこか懐かしいような風味にしみじみとするような。
今のは文体の印象を
わかりやすく日本の銘菓になぞらえましたが、
話で取り扱う事物(じぶつ)については
明治の頃の舶来品や異国情緒、
また、アリスやオズ、星の王子様
へのオマージュを感じます。
目に見えて為になる本かと言われたら
そうとは言い切れないけど、
誰でもきっと、どこか豊かになる気がします。
現実とは違うところ、
ちょっとした不思議ポケットに潜りたい時、
ぜひおススメします。
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これ以上のことばはいらないですよね♡
お聴きいただけましたら幸いです♬