一日一文 365日

一日一文 116. 星野博美「みんな彗星を見ていた」より

自分がどこへ向かおうとしているのか、さっぱりわからない。
いまに始まったことではなく、これまでもずっとそうだったから、別に驚きはしないのだが。小さな木舟で大海をあてもなく漕いでいるような気分だ。

しかし私のイメージでは、それは地球の海ではなく、小さな星や小惑星で埋め尽くされた、宙の海だ。夥しい数の石一つ一つが何を意味するのかはわからない。それでもその中からいくつか星を見つけ出し、星座を見つけようとしている。

淡い星の光を頼りに、舟を漕ぎ進めてみようと思う。
四〇〇年前の日本をめぐる、時空を超えた旅はこうして始まった。

 

はじめにーーー宙をゆく舟 p8


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。