一日一文 365日

一日一文 142. 藤岡拓太郎「夏がとまらない」より

先生へ

こんにちは。お元気ですか?
僕は元気です。
今度、本を出すことになりました。初めての本です。

先生は最近なにか面白いことありましたか?
僕は今日、公園であれを見ました。
カメラを持ったお母ちゃんにうながされて、
ピースして一時停止してる子供。
あれを見るとラッキーと思います。
あの瞬間の子供の、ぎこちない笑顔が好きなのです。
(ちなみに今日の子は、どこにでもあるような花壇のふちに立たされてピースしていました)
笑顔へたくそやなあこいつ、と吹き出しそうになりながら、
自分もこんな顔してたなと懐かしくもなります。

そしてその作り笑顔を「解除」した瞬間の顔。
あの顔だけ集めた写真集をいつか作りたいと思います。

それにしても、わが子が遊んでいる最中にカメラを向けて
自然体のその瞬間を切り取ればいいものを、
母親というのはどうして、ああいちいち
動きを止めて写真を撮るのでしょうか。
その上なぜか、なかなかシャッターを押さない
ところがあります。不思議です。

カメラといえば、写ルンですが近ごろ再ブームのようです。
うつるんですと聞くと、僕の中ではまず「伝染るんです。」
という漫画が頭に浮かびます。これは十一歳の夏休みに
従弟の家で初めて読んで笑い転げた本です。
その時はじょうずに笑えていたはずです。

完成したら、一冊お送りします。
先生の、いつも機嫌のいいところが好きでした。
そんな本になればいいなと思います。


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。