一日一文 365日

一日一文 147. 長谷川弘江「癒しのお香」より

乾燥した葉や茎などが、火の上で丸まったり体をくねらせたりして、かすかなため息をもらし、あるいはパチパチ言いながら、神秘的な香りの細い糸を天へ送り届け、やがて燃え尽きて黒い灰になっていくとき、それは風変わりな舞台のひと幕を見るようです。

植物の香りは、力を与え、慰め、ときには守り、空気を浄化してくれるものです。薫香は、特別な形の瞑想にもなりますし、単調な日常から連れ出してリラックスさせてくれる儀式にもなります。
そして火という根源的な要素と、その変換の力に触れさせてくれるのも薫香です。燃焼は、束縛されていた力を解放します。植物やインセンスには治癒力があり、これが薫香によって解き放たれるのです。

匂いは、私たちの脳がもっともよく記憶するもので、深層意識の中の強い連想を呼び覚まします。
インセンスの香りは、すばらしい夢の庭へと誘い、想像力を活性化して、同時にまた、鎮静し、リラックスさせ、眠りを促すのです。

ー幼いころ見た火の魔法ー p9~


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Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。