一日一文 365日

一日一文 161. ロダーリ「猫とともに去りぬ」より

「どうやらこの家には、四十年も国鉄を立派に勤めあげた、年金生活者の居どころはないようだ。こうなったら、荷物をまとめて出てってやる。かならず実行してみせるぞ。猫といっしょに暮らすんだ」

石段をおり、猫の縄張りと自動車の縄張りを隔てている鉄柵を越えると、彼の姿は猫になっていた。

ホンモノの猫たちは、猫人間を避けることもなく、いばりちらすこともなく、完全に対等に扱ってくれた。それでも、ときどきホンモノの猫同士、ささやきあうのが聞こえた。

「俺たち、人間になんてこれっぽっちもなりたくないよな。人間界ってところは、ハム一枚だって、目玉が飛び出るほど高いらしいぞ」


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。