文箱 ”言の葉の落とし文”

落とし文「調べの刻」”さくらいろ”さま

 調べの刻

落ち葉の余情が香っている
ひっそりと温もり保ちながら 時折の日差しに微笑みを返す
枯れ野に降りる黄昏も 茜色の刹那をもって 次なる季節に歓迎を差しだしているもよう

このひとこまに何を想うだろう
落葉した木々は何を想い 空を仰いでいるのだろうか
通り抜ける風が幾度も旋回し 耳傾けているのは何の音か

微かな鐘色で歌う風
その輪唱が空を舞い 描かれる風景
遠く渡る余韻がここにも注がれるという 妙なる調べ

冬ざるるうちに顕る 奏楽にいのち数多 …今この時だけの聲
繰り広げられる舞台に呼応するは 胸の内の小さなオルゴール
そのゼンマイを指先で回し ずっと 想い馳せている

大雪過ぎし 冬の夜に…

photo kazesan


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Gaju。 管理人
Gaju。管理人suzukiです。 管理運営担当しております。 愛猫たち(東風Cochiと南風Kaji)のときの過ごし方から 日々学ぶ今日この頃です・・・。