調べの刻
落ち葉の余情が香っている
ひっそりと温もり保ちながら 時折の日差しに微笑みを返す
枯れ野に降りる黄昏も 茜色の刹那をもって 次なる季節に歓迎を差しだしているもよう
このひとこまに何を想うだろう
落葉した木々は何を想い 空を仰いでいるのだろうか
通り抜ける風が幾度も旋回し 耳傾けているのは何の音か
微かな鐘色で歌う風
その輪唱が空を舞い 描かれる風景
遠く渡る余韻がここにも注がれるという 妙なる調べ
冬ざるるうちに顕る 奏楽にいのち数多 …今この時だけの聲
繰り広げられる舞台に呼応するは 胸の内の小さなオルゴール
そのゼンマイを指先で回し ずっと 想い馳せている
大雪過ぎし 冬の夜に…
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