私は生かされている。
野の草と同じである。
路傍の小石とも同じである。
生かされているという宿命の中で、
せいいっぱい生きたいと思っている。
せいいっぱい生きるなどということは難かしいことだが、
生かされているという認識によって、
いくらか救われる。
_第一章「風景開眼」p9~_
私は、いま、波の音を聴いている。
それは永劫の響きといってよいものである。
波を動かしているものは何であろうか。
私もまた、その力によって動かされているものに過ぎない。
その力を何と呼ぶべきか私にはわからないがーー
_第二十三章「永遠の海」p298~_
ABOUT ME