色は見えざるものの彼方から射してくる。
色は見えざるものの領域にある時、光だった。光は見えるものの領域に入った時、色になった。
もしこう言うことが許されるなら、
我々は見えざるものの領域にある時、霊魂であった。
霊魂は見えるものの領域に入った時、我々になった、
と。
色についても、我々についても私はそう実感している。色も我々も、根元は一つのところからきていると。
そうでなくしてどうしてこれほど色と一体になることができるのか、自然の色彩がどうして我々の魂を歓喜させるのだろうか。
あの荘厳な夕映えの空を見た時、我々は死を怖れることなく大宇宙へ還ってゆくことを信じ、自然に帰依する思いをいだく。
ー 身近きものの気配 ー p244~
ABOUT ME